「唐木屋」は酒の図書館である


東急世田谷線沿線にある酒屋「唐木屋」は
酒の図書館である。
まずは会員になる手続きが要る。
酔っぱらいにはご主人が懲りたのだ。
会員証を見せると本人およびビジター客が入ることができる。
店の奥にテーブル、机、ソファ、テーブル代わりの酒樽があり、
酒屋だから無論のことだが、あたり一面に酒が並んでいる。



  (限定販売中、オゼノユキドケ黒ビール。
   写真は唐木屋ご主人のブログより引用)


「唐木屋」の自慢は地ビールと日本酒のセレクションである。
日本酒の瓶に青ラベルがぶら下げられていれば、
グラス売り(60ml)をやっている銘柄の目印だ。
飲みたい酒をレジカウンターに持っていけば、
グラスでも一合でも注文できる。
さらに週代わりでご主人が選んだ利き酒セットがあり、
三種類500-600円くらいで楽しめる。



  (今週の飲み比べセット。愛知の酒「米宗」3種。
   写真は唐木屋サイトより引用)


静謐な雰囲気は、気に入った本を司書に持っていき、
自分の場所で読みふける図書館の感覚に似ている。
無論、節度を保てばという条件付きだが
食べ物の持ち込みも許される。
店のチーズ盛り合わせで一杯飲んだ後に
持参した崎陽軒の弁当を食べながらさらにもう一杯、
なんてこともやれるのだ。
ああ、大人でよかったなぁ、と思えるひととき。



ほろ酔いくらいで引き上げ、再び世田谷線で揺られて帰る。
高井戸の映画館で観ていきたい作品があるなぁ。
上映スケジュールをまとめたパンフレットを
駅のベンチで電車を待つ間に眺めるのも愉しみ。