金曜日には本屋に寄るのが楽しみだ。
アマゾンでもずいぶん買うのだが、
本屋の空間が提供してくれる身体性、偶発性は
かけがえのないものだ。
週末に読む本を何冊か仕入れて帰る。
- 作者: 山本義隆
- 出版社/メーカー: みすず書房
- 発売日: 2011/08/25
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- 購入: 10人 クリック: 372回
- この商品を含むブログ (36件) を見る
山本義隆『福島の原発事故をめぐって
ーいくつか学び考えたこと』(2011)を読む。
山本の名前は『磁力と重力の発見』(全三巻)(2003)の著者として
僕の記憶にあった。
山本は事実や引用に基づき
丁寧に冷静に自分がなぜ原発に反対するか説いてゆく。
「16世紀文化革命」から始まる
「3. 科学技術幻想とその破綻」は
人間の思考・営みを科学史の視点で俯瞰にとらえた著者の真骨頂。
歴史的事実の連続から現代の官民学一体の
反駁を許さぬ「原発ファシズム」の全貌までを明らかにしていく。
その筆致にはムダがなく、感情におぼれず説得力がある。
(デジタルノートが以前紹介した
平井憲夫『原発がどんなものか知ってほしい』(1996)からも
引用している。平井の原文を参照してほしい)。
- 作者: 山本義隆
- 出版社/メーカー: みすず書房
- 発売日: 2003/05/23
- メディア: 単行本
- 購入: 4人 クリック: 67回
- この商品を含むブログ (70件) を見る
- 作者: 山本義隆
- 出版社/メーカー: みすず書房
- 発売日: 2003/05/23
- メディア: 単行本
- 購入: 3人 クリック: 23回
- この商品を含むブログ (30件) を見る
- 作者: 山本義隆
- 出版社/メーカー: みすず書房
- 発売日: 2003/05/23
- メディア: 単行本
- 購入: 2人 クリック: 25回
- この商品を含むブログ (30件) を見る
福島原発事故から9ヶ月が過ぎ「終了宣言」のようなものが
政府から公式に出されたがその実態は疑わしい。
放射能汚染は数万年の単位で続くことが
科学的に証明されているからだ。
著者は現在学校法人駿台予備学校勤務。
こうした気骨ある在野の知性と対話し続けることで
僕も原子力問題について倦まず弛まず考え続けることができる。
雑誌『みすず』の福島原発に関する原稿依頼が
著者も予測しえなかった単行本出版となった。
みすず書房の良質な仕事に感謝する。
- 作者: 山本義隆
- 出版社/メーカー: 駿台文庫
- 発売日: 2004/05/01
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- 購入: 20人 クリック: 233回
- この商品を含むブログ (32件) を見る
(文中敬称略)