1合入り魔法瓶に白湯を入れて


朝起きるとまず浄水器の水を飲む。
この季節になると続けて白湯を飲む。
最初の一杯はお茶やコーヒーでなく白湯がいいなぁ、
と思っていたら、沢野ひとしの文章に出会った。



   白湯が好きである。
   一時中国茶に凝ったことがあるが、
   しばらくするとまた白湯に戻る。
   白いご飯のようなものだ。


     (中略)


   12月末に北京に行くが、凍てつく寒さが待っている。
   こんな旅には1合入りの最も小さな魔法瓶が良い。
   ホテルのポットで沸騰させた湯を入れ
   「さぁ行くか」と気合いを入れて
   氷点下の街に出かけて行く。


     (中略)


   公園の日だまりが理想的だが、
   風も冷たいとなると、本屋や図書館が休憩場所となる。
   北京の皆さんも階段に座っている。
   私もここで白湯をゆっくりと飲む。
   思わず「好喝(ハオフー)」とつぶやく。



            『魚雁伝書(ぎょがんでんしょ)』
            「人、白湯に和む」より引用
             ー「電通報」2011年12月19日号掲載)


一合入りの魔法瓶に白湯を入れ、
氷点下の北京に僕も遊びたくなってくる。



(文中敬称略)