夜なべと逃避


きょうは残業である。
部のみなさんも先ほど最後のひとりが帰ったので
僕だけが残っている。
昼間は訪ねてくる人がいたり会議があったりで
個人の仕事にはなかなか手が付けられない。
珍しくマクドナルドで残業食を仕入れ、
少々腹ごしらえしてから取りかかる。



骨組みはできているとは言え、
相手によって考え直し作り直す必要がある。
Keynoteを使って動画を貼りかえたり、
スライドのアニメーションを再調整する。
凝り出すとこれはこれでなかなか愉しいのだが
昼間のガチャガチャした時間帯には向かない仕事なので
どうしても夜なべになるのだ。



21時に店仕舞いしまっすぐ帰宅する。
簡素なおつまみを何品か自分で作り、
獺祭をチビチビやりながら本を読みふける。
作家・城山三郎さんが言う「黄金の時間」である。
現実世界は狭く窮屈になってきた面もあるけれど、
頭や心は無限の広がりを持っている。
その無限に逃避し耽溺する。