ありふれた一日が特別の一日


僕の会社での座席は現在38階の窓際にある。
東京湾築地市場浜離宮の全貌が見渡せる位置である。
ときおり一面の空がキャンバスの絵のように変化し
魅力的なレイアウトを見せてくれる。





僕以外のほとんどの人たちはコンピュータ画面を見ているか、
携帯で話しているかのどちらかだ。
僕はiPhoneのプロカメラで空の変化を記録する。
だからどうだと言うことは別にないのだが
こんなアートを見逃しては惜しいな、と思うのだ。



ずいぶん前に女性新入社員の部下を持っていたことがあった。
いつもいっぱいいっぱいであたふたしているSさんに助言した。
「忙しいとは思うけれど、ときには立ち止まって深呼吸してごらん」。
彼女はキッとした目つきになり、
「忙しくって、息してるヒマなんてありませんっ!」と返事した。
そう言いながら、いま自分が言ったことにふと気づいて苦笑いした。



帰宅しずいぶん遅い時間になって
長野に日帰り出張に出かけていた同居人が帰ってくる。
「なんだかジュースが飲みたい!」と言うので
到来もののたんかんを絞ってたんかん100%ジュースを作る。
奄美大島の太陽の力が結実する一杯ができあがる。