ひとりでメシにありつく技術


外国人として訪れた街で
一緒にご飯を食べ会話ができる友人知人を持っていることは
なにより大きな財産である。
と同時に見知らぬ街で
ひとりきりでもうまいメシにありつく技術は
旅の基本ではないかといつも思う。



ニューヨークではトライベッカに宿を押さえた。
Expediaで事前にロケーション、予算、サービスを検討して決めた。
チャイナタウン、リトルイタリーに歩いて行ける距離にあるので
ひとりで食べる場所を探すのはまったく困らない。
インターネットの情報も使うが、
決め手となるのはたいがい勘と店頭のメニューである。



予約なしにふらりと入ったリトルイタリーのレストランでは、
隣のテーブルに母親とふたりの娘が座っていた。
三人とも食事の合間にそれぞれモバイル画面をチェックしている。
ふたりの娘はティーンだろう。13歳と16歳くらいか。
お姉さんは整った顔立ちをしている。
妹は前歯を矯正中でおしゃまに振る舞う。




風邪の初期症状が出ているのでミネストローネを頼む。
グラスの白ワイン、イカフリット
オリーブとアンチョビのトマトソースパスタ、エスプレッソ。
チップも入れて50ドル。高くもなく、安くもない。
フリットはうまいが僕には1/3の量で充分だ。
チャイナタウンでの昼食で頼んだ野菜炒めも量が半端じゃなかった。
時代は変わってもやはりここはアメリカだ。
一人用のハーフサイズが頼める日本のサービスが欲しいと思った。