重光葵『昭和の動乱(下)』を読む。
重厚な歴史書である。
下巻は日独伊三枢軸から大東亜戦争、降伏まで。
国家の中心でなにが起きていたのか、
重光はあくまで事実を中心に淡々と記録していく。
それだけに日本という国家が
あわや崩壊しかけていた様も生々しく伝わる。
- 作者: 重光葵
- 出版社/メーカー: 中央公論社
- 発売日: 2001/10/01
- メディア: 文庫
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昭和天皇が国家崩壊を防ぐためにどう行動しどう発言したか、
つまびらかに記される。
天皇の裁決がなければ軍部は最後の瞬間まで止まらなかった。
それがわずか68年前の歴史的事実であることを知ると、
背筋がひんやりする。
歴史に無知であれば、
現在の自分の身の周りの出来事に左右され一喜一憂するばかりだ。
視野を広げること、時間を掘り下げること。
本書は日本と自分を考えるきっかけをくれる。
文庫上下二巻。本文654頁。資料40頁。
読み応えは保証する。
(文中敬称略)