岡田英弘『倭国の時代』(1976/2011ちくま文庫)


『歴史とはなにか』『世界史の誕生』『日本史の誕生』に続いて
岡田英弘倭国の時代』を読む。
最初の三冊を読んでいる間は、
岡田の断定的な物言いに論理の飛躍を感じる箇所があった。


倭国の時代 (ちくま文庫)

倭国の時代 (ちくま文庫)


こうして次々と読み続けていると、
お互いの著書が補完し合って岡田史観を形作っていることが分かる。
ある著書では結論しか書いていないことが
別の著書では史料を丁寧に読み込み推論しているのだ。


歴史とはなにか (文春新書)

歴史とはなにか (文春新書)


妻であり弟子である宮脇淳子によれば
岡田は14カ国語ができると言う。
満州語、韓国語(ハングル)、モンゴル語チベット語が含まれる。
岡田は日本、中国だけでなく東アジア、中央アジアに残された史料を
直接読み込み解釈しているのだ。
こんな歴史家は聞いたことがない。



僕が敬愛する宮崎市定とは理論も文体も異なるが、
これはまた凄い鉱脈に行き当たったものだ。
知る人ぞ知る岡田史観だが、僕にはすべてが新鮮である。
正直、はまりますね。



(文中敬称略)