施耐庵『水滸伝(下)』(松枝茂夫編訳)(1960)


施耐庵水滸伝(下)』を読む。
58章でとうとう108人の英雄(頭領)が梁山泊で一同に会する。
面白い。
少なくとも五百年から六百年、
中国の知識人だけでなく庶民に愛されただけの物語性がある。


水滸伝 下 新版 (岩波少年文庫 543)

水滸伝 下 新版 (岩波少年文庫 543)


62章で道君皇帝の元に宋江らが参じてからは精彩を欠く。
口八丁手八丁の側近官僚たちにいいように使われ、
東に西に軍を率いては皇帝に刃向かう連中を制圧する。
一見華々しい活躍に見えるが、体のいい傭兵に過ぎない。



59章で108人の英雄が忠義堂に集い、
「替天行道(天に替って道を行なう)」と誓う場面が圧巻である。
やはり、庶民のために働く頭領たちは野に置けと言うことか。
次に中国を訪問する機会があれば、
向こうの人たちと『水滸伝』の話をしてみよう。