佐々木美智子・岩本茂之『新宿、わたしの解放区』(2012)


月火は北京で仕事。
水は家で一服して、木金は東京で仕事。
やれやれ一週間が終わったわい、と新宿ベルクに向かう。
この頃はもっぱら自宅でTora's Bar、ウルマル食堂をはしごだから
ベルクに寄り道するのも久しぶり。
でも、たまには寄りたいね(ウル、ごめんね)。



相変わらずの満員だが、ベルクは相席が原則だから
珍しく立って飲まずに椅子に腰掛ける。
小さなスペースをギャラリーとして使っているのが面白く、
モノクロの人物写真を展示していた。
佐々木美智子の作品である。


新宿、わたしの解放区

新宿、わたしの解放区


店に置いてある佐々木の著書の腰巻きに
沢木耕太郎秋田明大が推薦の一言を載せていた。
興味を引かれて購入した。
根室から上京して50年代半ばから屋台を引き、
70年代終わりまでバーを数軒経営。
新宿で佐々木はかなり知られた女性だった。



そう言えばベルクは
古き時代の新宿の香りを残している店だ。
副店長の迫川尚子は写真家でもあった。
新宿。写真。ベルク。ドットがつながった。
ベルクのビールとつまみで息抜きしながら、
佐々木、岩本茂之(聞き書き)の視点による新宿史に
しばしひたっていた。



(文中敬称略)