お総菜通りの端にある店


運がよければ一年に一回やってきて、
一週間ほどの間に一二回寄るだけのことだから
行きつけの店と言ったら笑われるだろう。
それでも、カンヌに通って好きになる店がある。



我が家では「お総菜通り」と呼ぶ裏通りの、
あと十数メートル進めば旧市街に入る端にその小さな店はある。
La Farigoule。
定食は第一のプレート、第二のプレートから
それぞれ一品選んで16ユーロ。
カンヌの物価を考えればとてもリーズナブルだ。
今年は三日続けて通ってしまった。




パスタを食べたかったから、
一皿目は小イワシとじゃがいもサラダ、
二皿目にバジルのペンネを選んだ。
ビール小瓶、よく冷えたロゼをグラスで頼む。


ランチとしては遅めの時間に行ったので、
中途で店の女性がまかないを食べる時間と重なった。
「ボナペティ」と声をかけると、
「メルシー」と返ってきた。