大勢の人たちが支持するものには必ずなにかある。
のべ4,000万部が売れている
諫山創(いさやまつくる)『進撃の巨人』(1-3巻)を読む。
最初の3巻を読んだだけで凄い作品であることが分かった。
2,000年後の人類の物語である。
僕にはやはり、
『風の谷のナウシカ』『エヴァンゲリオン』などの作品の系譜に見える。
人類が得体の知れぬ巨大な外敵と闘い、
若い男女たちが先頭に立ってその困難に立ち向かう。
読んでいるうちに、なんだろう、
時代や世界が抱えている閉塞感や危機のようなものが
巨人に投影されて見えてきた。
優れた漫画作家たちは
本能的にそうした時代の匂いをかぎ取り作品に反映させる。
無論、論文ではないから感覚的であり、
感覚的だからこそ読者によっていかようにも読み込める。
作者自身にも一言で言える結論や答えがある訳ではないだろう。
そうであったら面白くない。
漫画界の巨人・手塚治虫が切り開いた地平に
こうした新しい才能たちの作品が輝いているように僕には思える。
手塚は日本、あるいは世界の漫画界にとって
アインシュタインのような存在だ。
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(文中敬称略)