あなたのセカンドオフィスに


「あなたのセカンドオフィスに。
 もうひとつの書斎に。」
泣かせるキャッチフレーズを発信しているのは
九段下の千代田図書館だ。



職業柄もあり、
それができるだけの給料もいただいていたので、
これまで書籍代を惜しむことはなかった。
価値ある本に出会えば、
著者がかけた時間、読者に共有してくれる知識・洞察を思えば
とても安い投資であると僕は考えている。



職務形態と報酬が変わるとき、
どうすれば自分の知的生活、情報収集の質を低下させずにすむか。
図書館の利用は重要な方法のひとつだ。
既に多くの方が実践していることを知っている。


居住地、勤務地、通勤経路にどんな図書館が存在し、
どんなサービスを提供しているか、ひとわたり調べることから始めた。
こうしたことには中途半端でなく、徹底的に追究し、
他人の意見にも耳を傾けながら、自分で考え結論を出したい。
結論も、状況の変化でアップデートした方がいい。



そのプロセスで知ったのが千代田図書館だ。
平日22時まで開館。
本や資料のさまざまな相談に乗るコンシェルジュを置き、
予約すればインターネット席、
WiFiを利用して自分のPCを使う席も用意されている。
冒頭のキャッチフレーズは伊達ではない。
実質が伴っている。


誰がいつこうした図書館に作り替えたのか、
興味があってコンシェルジュに尋ねた。
発案者は定かでなかったが、
5年前に千代田区庁舎を新築するとき
同じ建物に入る図書館のサービスを一新した。



館員は残業の必要もあるが、
その分の手当をもらう以上に
なにより自分の仕事に誇りを持てるだろう。
20時を過ぎても、館内の80%くらいの座席は埋まっていた。


千代田区はもう一館、
平日22時まで開館する日比谷図書文化館を持つ。
日比谷公園に以前あった都立図書館を受け継いだ。
こちらにも近々おじゃましてみるつもりだ。
身分証を持参すれば区民でなくても図書貸出カードが作れる。
千代田図書館には9席の区民優先席がある。納得。)


(写真は千代田図書館サイトから引用)