大王のオシッコが詰まった話(転載)


昨日出社して昼食後、
同居人のメールに気づいた。
「大王危機一髪」。
同居人は冷静沈着な人だから、
どんな場面でもあわてない。
大王の危機一髪とは?
以下、同居人ブログ「もるとゆらじお」から転載する。



写真は7月1日、水曜日のもの。
診療台に乗ってキョロキョロする大王は、朝から下痢を1回、ゲロ2回。
そして猫トイレの外でオシッコのポーズ。でも出るのは一滴。
あからさまにオシッコが、いや膀胱とか尿路があやしい状況だった。
病院へ連れて行ったのだが、この日はDB先生が研修で不在の日で
診てくれたのは代診のYB先生。


「クシャミはしますか」
そんなものはしません。
「熱もないなあ」
でしょうね、風邪じゃないと思うし。
「季節的なもんでしょう」
.......
「注射をして、薬を出しておきます」
間違っている...ぜ〜〜ったいに間違っているぞぉぉぉぉおお〜〜。


しかしDB先生がいないのだからどうしようないし、
むかし未開人は歯磨きを舐めても病気が治るという伝説もあったので
大王ももしかしてと思ったが、やはり無理だった。
今朝になって薬を飲ませようとよく見たら胃の薬と腸の薬。
だから〜、違うんだってば〜と思いながらも飲ませようとしたが
日ごろ薬もサプリメントも素直に食べる大王が泡を吹いて嫌がった。
やっぱり変だよね、うん変だよ。
ここに至って病院に電話をしてDB先生に経緯を説明すると
今日また来てくださいということになった。
まあ、そのつもりで電話したのだから行くのは当然なのだけど。


病院でもう一度経緯を説明すると
DB先生はすぐに大王の下腹に手を当てて
「オシッコが詰まっています」
きくと、ネバネバしたミネラルの結晶が出口に蓋をしているらしい。
さらに
「午後まで放っておいたら死ぬところでした」
(後で調べてみたら48時間で死ぬと書いてあった)
ひえええ〜〜、大王。危なかったね、おまえ。
DB先生は早速に出口に詰まった結晶の処理に取りかかる。
「ナカヤマさん、尻尾を持っててください」
はいはい、この太い尻尾が邪魔なのですね。
次にオシッコの処置だ。
限界までたまったオシッコを絞り出すのは激痛だそうで
較べるとカテーテルが痛くないそうだが、
これがうまく入らず、休憩1回をはさんで激痛絞り出し作戦になった。
オシッコの色が赤い。教科書通りの血尿だ。
その間、なぜか大王は泡を吹いている。
なぜ泡を吹くのでしょうと尋ねたら
「吐き気がするからです」
あっ、なるほど。目からウロコが落ちたなあ。
いまハンカチで拭いてあげるからね大王。
「泡を拭くのは後にして尻尾を持っていてください」
はいはい。
ついに猫の尻尾持ちになり下がって写真も撮れなかったが、
思えばこの修羅場で撮影などしている場合ではなかったな。


そして、また詰まるかもと言われ
詰まったら夜でも連れてきてくださいと言われ、
「自宅で仕事してま〜す」と会社に連絡して大王を見張ること数時間、
夕方6時を過ぎて、それまでグッタリ寝ていた大王が起き上がり
歩いて猫トイレに行ってトイレの枠に四肢を乗せて
トイレの外(怒)にオシッコをした。赤いオシッコだった。
ああ、やれやれ。詰まっている様子もない。
願わくばトイレの中でしてもらいたいものだが、
それでも無事にオシッコをしたのと、
まわりに関心を持ち始めているのがいい兆候だった。
さらに夜の9時にまたオシッコをした。
オシッコは赤いが、なんだか元気になっている。
大王グループの住人の膝に乗ったりもする。
23時、スープ系のフードをあげてみたらひとくち舐めた。
この時点でたまに「にゃあああ〜」とうるさい声も発するようになった。
思えば私は大王の命の恩人だと思うが、
仕事のメールも書かなきゃだし、少し静かにしてもらえないだろうか。


そして明日も病院へ行く。たぶん土日もだ。
血液検査はすでにしたが、腎臓は思ったほど悪くなっていないと言われた。
つまり入院するほどでもないということだ。
しかし翌日に悪化することもあるそうなので
明日も血液検査をする予定になっている。
オシッコが出なかったせいで腎臓の数値が上がり、
それにひきずられて肝臓の数値も上がっていた。
なかなかえらいことだった。
もう少し腎臓の数値が上がっていれば
入院して点滴で補液を注入し、カテーテルで排出するという、
つまり洗い流す処置が必要だったそうだ。
飼い主としてはぜひとも洗い流していただきたかったのだが、
大王は嫌かもしれないと思って希望を述べるのはやめておいた。


オシッコが詰まるのは若い雄猫、太った雄猫に多いそうだが、
大王は太っていないし、すると若い雄猫のカテゴリーになるのだろうか。
親父くさい顔をしていると思ったが、若かったのか大王??
いまさら王子とか改名できないから大王のままにしといてもらうけど、
言われてみれば、若いのかもしれないし、
少なくとも精神年齢はかなり若いことに間違いはない。
それにしても、あの肝臓の数値が最悪だったときでさえ
元気でうるさくて騒々しく飛びまわっていた大王が
今回だけはしょんぼりしてた。
DB先生に、大王が画期的にしょんぼりしていますと報告したら
「死ぬとおもったんでしょうねえ」とまた名言が出たのだった (さ)