マネーロンダリングと『資本論』


昨年12月に審査したアジアパシフィック広告賞の謝礼が
僕の口座に振り込まれることになると連絡があった。
既にあれから4ヶ月弱経過している。
予測はしていたが、北京からの入金はとても時間がかかる。
口座があるT支店でマイナンバー登録をしないと
謝礼は入金されない。


  本店担当「マネーロンダリング防止の対策なんです」
  僕   「でも、この金額じゃロンダリングしたら
       洗われて全部なくなっちまいますね」
  本店担当「(笑いながら)海外からは1円の入金から
       マイナンバー登録が必要なんです」


支店2階の外国為替カウンターに行き手続きを済ませた。
手続き自体は簡単だった。
「資本」はグローバル経済を推し進め、
国境のハードルを越えて肥大していく。
1867年、カール・マルクスが『資本論』に書いている。




金が国境を越え始めると、
国家はどこで税を徴収するか目を光らせる。
とりこぼしていては財政が成り立たない。
いまやグローバル企業が中小国家GDPを超える時代だ。
「資本」の運動が国家も、企業も、人も国境を越えて飛び回らせる。



銀行支店があるT界隈は
以前オフィスがあった場所だ。
せっかくここまで足を運んでくるので
魚とごはんの旨い店「魚竹」に寄ろうと決めてきた。
鯖の炭火焼き定食900円。
ごはん、味噌汁、お代わり自由。
この店は健在だ。