スクラップブックから
朝日新聞2018年5月21日
是枝監督作 カンヌ最高賞
「万引き家族」 邦画21年ぶり
「万引き家族」は、
監督にとって13本目の長編劇映画。
是枝監督によると、作品の構想を練っていた時、
ニュースで報道される家族の姿が目に留まったという。
「経済的にかなり追い込まれた状況で、
万引きや年金を不正に受給することで
かろうじて生活を成り立たせている家族。
その中で、血縁を越えた関係を描いたらどうだろうか」
(カンヌ=伊藤恵里奈)
この視点の発見が
作品に国境、国籍を越える力を授けたと僕は思う。
貧富の差の拡大で身につまされる現実を
ユーモアで少し軽くすること。
多少の「悪」のスパイスは生活のためなら
取り入れてしまうあつかましさ。
これが、いまのグローバルの気分のひとつであることを
審査員たちは最高賞授賞でメッセージした。
この作品は観ておこうと思います。