井上ひさし『短編中編小説集成(第1巻)』(2014)


これまで単行本未収録だった作品も集めたから
出来映えがバラバラで、そこがかえって僕には面白い。
井上ひさし『短編中編小説集成(第1巻)』(2014)を読む。


井上ひさし短編中編小説集成 第1巻

井上ひさし短編中編小説集成 第1巻


この巻では巻頭作品「ブンとフン」が目玉。
僕は小品「王様の白切手」(「いとしのブリジット・ボルドー」所載)、
「燔祭(はんさい)」の二作品が印象に残った。


今村忠純の巻末解説によれば、
『飛ぶ橇』(前奏社、1935)
小熊秀雄詩集』(耕進社、1935)の二冊を生前に残した
詩人小熊秀雄を井上は好きだった。
「ブンとフン」に小熊の影響が見られると今村は解説する。
いつか、読んでみよう。


小熊秀雄詩集 (岩波文庫 緑 99-1)

小熊秀雄詩集 (岩波文庫 緑 99-1)