スクラップブックから。
「週刊文春」2017年6月8日号。
「加計(かけ)スキャンダル2大爆弾告白
出会い系バー相手女性(26)」
教育行政のトップが、
なぜ売春の場とされる "出会い系バー" に出入りしていたのか。
前川氏は小誌にこう説明する。
「この件は、妻にも説明してあり、理解を得ています。
その店に行っていたのは事実です。
店を訪ねてみようと思ったのは、
民放のドキュメンタリー番組を見たことでした。
こういう店で男の人から
お金をもらって生活している女性がいると知り、
彼女たちの話を実際に聞いてみたいと思いました。
菅さんは教育行政のトップとして
相応しくない行動と言いましたが、
事務次官や局長になると、
現場のリアルな声を聞く機会はほとんどない。
だから足を運んでみたのです。
確かに普通の官僚はこんなことはしないのでしょうが。
(中略)
A子さんは、取材に応じた理由をこう語る。
「記者会見のあった二十五日に、
お母さんからLINEが来て、
『まえだっち(引用者注: A子さんらの間での前川氏のニックネーム)が
安倍首相の不正を正してる』。
それで、お父さんとテレビ見て
『これは前川さん、かわいそうすぎるな』
と思ってお話しすることにしました。
『調査』と言っていましたけど、
振り返ってみると確かに『どうしてここに来ているのか』
とか家族構成も聞かれました。
いまになって真実とは思えない報道が
たくさん出ていることが不思議です。
私は前川さんのおかげで今があると思っていますから」
前川氏は、次官退官後、
夜間中学の先生をボランティアで行っている。
"出会い系バー通い" は、その予行演習だったのか。
前川氏は、
池波正太郎『鬼平犯科帳』の主人公・鬼平のようだな。
鬼平は元盗賊、娼婦、社会的弱者とも心を通わせ、
彼らの情報も活用して任務を果たしていた。
「まえだっち」に共感していなければ、
A子さんが「週刊文春」の取材を受けたとは思えない。
「出会い系バー」と聞いて、
僕もすっかり下半身問題を想像していた。
世の中には前川氏のような高級官僚もいたんだな、と感心した。
やるじゃないか、まえだっち!
「週刊文春」、タイトルは売らんかなだったが
記事本文はよかった。
これはいい仕事でした。
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