加藤陽子『戦争まで—歴史を決めた交渉と日本の失敗』(2016)


書店(ジュンク堂池袋店)、出版社(朝日出版社)、
大学教授(加藤陽子)、塾生(27名の中高生)が協力すれば
こんな知的醍醐味のある本が生まれるんだとうれしくなった。
加藤陽子『戦争まで—歴史を決めた交渉と日本の失敗』
(2016、朝日出版社)を読む。


戦争まで 歴史を決めた交渉と日本の失敗

戦争まで 歴史を決めた交渉と日本の失敗


目次は以下の通り。


   はじめに
   1章 国家が歴史を書くとき、歴史が生まれるとき
   2章 「選択」するとき、そこでなにが起きているのか
      —リットン報告書を読む
   3章 軍事同盟とはなにか
      —二〇日間で結ばれた三国軍事同盟
   4章 日本人が戦争に賭けたのはなぜか
      —日米交渉の厚み
   終章 講義の終わりに—敗戦と憲法
   おわりに
   注
   謝辞


本書末尾にこう記されている。


   本書は「作家書店特別企画 加藤陽子の連続日本近現代史講座」
   (全5回、ジュンク堂書店池袋本店にて)、
   特別補習講座(1回、東京大学にて)を収録し、書籍化したものです。


ジュンク堂池袋本店で「作家書店」を企画したのは
田口久美子、森暁子、井手ゆみこ。
連続講義を提案したのは加藤と鈴木久仁子(朝日出版社編集部)。
鈴木は加藤の前著『それでも、日本人は「戦争」を選んだ』の企画・編集を
担当とした編集者(加藤によれば、霊媒師)。
5人全員女性のチームが本書を生んだのは偶然か、必然か。
(僕は必然だと思うね)



参加した中高生が事前に史料を読み込み、
加藤の質問に答え、ときに逆質問する姿が頼もしい。
前著とともにこの夏の一冊として薦める。


書店風雲録 (ちくま文庫)

書店風雲録 (ちくま文庫)

([た]2-1)書店繁盛記 (ポプラ文庫)

([た]2-1)書店繁盛記 (ポプラ文庫)

田口はリブロ、ジュンク堂で現場を指揮してきた書店員のリーダー


(文中敬称略)