田口久美子『書店繁盛記』(単行本2006/文庫2010)


書店が好きで、書店で働く人が好きで、
近頃は小遣いが限られているから、
うっかり寄って本を買い込まないように避けているくらい。
田口久美子『書店繁盛記』(ポプラ社、単行本2006/文庫2010)を読む。


([た]2-1)書店繁盛記 (ポプラ文庫)

([た]2-1)書店繁盛記 (ポプラ文庫)


かつては全国2万軒を超えた書店が、
2017年5月には12,526軒(出版社アルメディア調べ)。
推定販売額は15000億円を超えていた07年から
15年は13000億円あたり。
出版物全体が落ち込んだ分をコンビニ、書店が
かぶっている様子がグラフから解る。



讀賣新聞2017年6月28日朝刊より引用)


田口の本はこうした状況、データにめげず、
書店現場のひとりひとりにスポットライトを当てる。
地味で体力も使う割りに給料が安い。
けれども世の中からなくなってしまっては困る書店員の仕事。


現場で働く人たちの苦労と喜びを
田口はユーモアたっぷり真摯な筆で描く。
いまもジュンク堂池袋店パートタイム副店長として
活躍していると聞く。


戦争まで 歴史を決めた交渉と日本の失敗

戦争まで 歴史を決めた交渉と日本の失敗


2016年に加藤陽子
27人の中高生相手にジュンク堂で講義し、
一冊の本に結実するきっかけを作ったのも
田口たちのチームである。
困難な現場を任されるとき、
発想力、行動力が試される。


書店風雲録 (ちくま文庫)

書店風雲録 (ちくま文庫)


本を買うときはオンライン書店だけでなく、
街の書店で本を選び、お金を使うことが
僕たちにできる支援だ。
(以前ほど頻繁には買えなくてごめんなさいね)
本書は神保町・澤口書店で300円で購入。


書店員のネコ日和

書店員のネコ日和

書店不屈宣言: わたしたちはへこたれない (単行本)

書店不屈宣言: わたしたちはへこたれない (単行本)

(文中敬称略)