木村彰一『古代教会スラブ語入門』(白水社、1985/復刊2003)その1


『博友社ロシア語辞典』を編集した
木村彰一先生に興味を持ち、調べてみた。
先生はロシア語だけでなく、
日本で初めての『ポーランド語辞典』を編集。
さらに『古代教会スラブ語入門』という耳慣れぬ言語の
入門書も執筆していたことが分かった。


古代教会スラブ語入門

古代教会スラブ語入門


Amazon.co.jpカスタマーレビューから
Hitの書評を引用する。


   Hit
   ☆☆☆☆☆
   S先生の労作
   2010年2月20日


   千野栄一著『外国語上達法』の中に出てくる
   S先生という語学の達人がいる。
   ドイツ語を書けば、博士課程のドイツ人に
   「僕ももう10年もしたら、こういう風にうまく書けるかな」
   と言われ、
   ポーランド語では
   「全体が文体論的に統一されているのが立派だ」
   と母国語話者に激讃される。
                      (p.36-7)


   このS先生こそが、
   本書の著者木村彰一氏である。


   こんな著者の入門書であるから、
   当然の事ながら無駄のない硬質な語学書である。
   しかし、31頁から153頁の
   「文字と音」と「形態」(つまり文法)を通読すれば、
   新約聖書旧約聖書など古代教会スラブ語のテキストが
   楽しく読めるようになる。


   ロシア語はじめ
   現代スラブ諸語のうちのいずれかを
   本格的に勉強しようとする方々には、
   是非ともお奨めしたい本である。


外国語上達法 (岩波新書 黄版 329)

外国語上達法 (岩波新書 黄版 329)


千野栄一チェコ語など複数の外国語の達人として知られる。
その千野が教えを乞い、著書に言葉を引用したのが
木村彰一先生だったとは。


紀伊國屋新宿本店語学書売り場の手書きPOPで存在を知り、
サイト「日本の古本屋」で1,350円(送料込み)で購入したのが
先生の編集した「博友社ロシア語辞典」。
道理で本からオーラが出ていた訳だな。


博友社ロシア語辞典 (1975年)

博友社ロシア語辞典 (1975年)

博友社ロシア語辞典

博友社ロシア語辞典

ポーランド語辞典

ポーランド語辞典

wikipedia:木村彰一
(文中一部敬称略)