相手のことを考えられる人になりたい(小粼未来翔)


スクラップブックから
朝日新聞2018年7月27日朝刊
読者投稿欄「声(Voice)/若い世代」
ぼくに大黒柱の価値あるか
小学生 小粼 未来翔(あすか)(茨城県 11)


   一家の大黒柱の「お父さん」が亡くなった。
   今、ぼくにとって大きく考えさせられることがあります。
   それは家族の中で男はぼく1人。
   みんなから「ママのこと頼むよ」と言われ、
   ぼくが大黒柱になる価値があるのか悩んでいます。


   理由は、6年生のぼくがどんなことをすれば
   「お父さん」の代わりになれるのか分からないからです。
   もう一つは、みんなが思うほどしっかり者じゃないのに
   たよりにされていることに少し疑問を感じるからです。


   思えば、ぼくが家族に甘えてばかりでした。
   「お父さん」のような偉大な大黒柱にすぐにはなれないけど、
   まずは出来そうなことがあれば手伝うように、
   相手のことを考えられる人になりたいです。
   そして、家族が笑顔ですごせるように
   気持ちの良い家族の輪を作りたいです。



周囲の大人たちが深く考えずに
「ママのこと頼むよ」と言うことが、
まだ6年生の未来翔くんの心の負担になっていることを
気の毒に思います。


「まずは出来そうなことがあれば手伝うように、
相手のことを考えられる人になりたいです」
お父さんを失った悲しみのどん底でこう書けるのは、
きっと温かい家庭でしっかりと育ってきたのでしょう。


一家の大黒柱を失い、経済的困難が予想されるけれど、
未来翔くんの成長を継続的に見守ってくれる大人が
家族以外にひとりでも周囲にいることを願わずにはいられません。
経済的援助によって高等教育まで受けることができ
ゆっくり急がず家族の大黒柱になれるといいと思います。
どうかがんばりすぎずに、がんばってください。