大衆立呑酒場「富士屋本店」に呼ばれた夜


なんだかこの店に
今夜は呼ばれているような気がした。
寄り道金曜日。
渋谷に向かう。
看板を見つけるとホッとする。
ああ、まだ営業していたんだ。
立ち飲みの名店「富士屋本店」。



地下に続く階段に行列。
こんなことは初めてだな。
普段なら諦めるところだが、なんとなく最後尾に並んでみた。
ようやく先頭まで行くとTシャツが並んでいる。
記念の品で15日から売り切れ御免で販売開始すると書いてある。
イヤな予感がしてくる。


店員に直接尋ねるのは気が引ける。
女将や常連の会話をそれとなく聞いていると
どうやら今月で店を閉めると分かった。


外で飲む機会が激減しているので
「富士見本店」にも足が遠のいていた。
イヤな予感の正体はこれだったのか。
だから店に呼ばれている気がしたのか。
まったく渋谷の再開発なんてロクなことがない。


黒生。いいちこちびボトル。緑茶割り
ハムキャ別は売り切れだったから、ハムカツ、スパサラ。
キャッシュオンデリバリーで、〆めて1,700円也。
右隣の二人組女性客に連れが来たので席を譲る。
渋谷が寂しくなる。