佐藤優・文/西原理恵子・絵『12歳からはじめよう 学びのカタチ』(NHK出版、2019)

佐藤・西原コンビが「とりあたま」シリーズに続いて
少年少女に向けて面白い本を出した。
佐藤優・文/西原理恵子・絵
『12歳からはじめよう 学びのカタチ
—優くん式「成績アップ」5つの秘密』(NHK出版、2019)を読む。


12歳からはじめよう学びのカタチ: 優くん式「成績アップ」5つの秘密

12歳からはじめよう学びのカタチ: 優くん式「成績アップ」5つの秘密

  • 作者:佐藤 優
  • 出版社/メーカー: NHK出版
  • 発売日: 2019/10/25
  • メディア: 単行本


「はじめに」からサイバラおばちゃんの漫画を引用する。


f:id:yukionakayama:20200120120700j:plain:w450


  サイバラおばちゃん
  「優くんはね かしこいけど 大人になって
   いろいろやらかした人だよ」
  「生きてるとやっぱね天災みたいな事が何回もあるんだ」
  「そんな人生でド派手にすっころんだ時どうやって立ち上がるか
   そこに優くん式勉強が役に立つんだって」


  優くん
  「Yes」


  サイバラおばちゃん
  「勉強ちょー出来ないサイバラおばさんも読んでみよう」
                       (p.004)


優くんの言葉も引用してみよう。


  だからこそぼくは、
  状況がどう変わっても影響(えいきょう)をうけないような、
  「学びのカタチ」を、この本できみたちに伝えたいと思っているんだ。
  ここでぼくが言うカタチとは、


  「ものごとを学ぶ姿勢」


  のこと。 「型(かた)」と言ってもいいかもしれないね。


  具体的な知識のことではないよ。
  どんな勉強にも応用できるし、
  きみがこの先、受験をしたり、
  おとなになって仕事をしたりするときにも
  かならず役に立つものなんだ。


  学びのカタチは、わずか5つ。


  ①「ワザありの時間管理術」
  ②「90分間、机にむかって集中するコツ」
  ③「苦手なところ・弱いところを自覚する方法」
  ④「スイスイ暗記するための奥の手」


  この4つはいずれも基本的なことだよ。
  でも、おとなでもきちんとできていないことが多いんだ。


  そして、もっとも重要なのが、


  ⑤「インプットとアウトプットの方法」


  いま、アクティブ・ラーニングの話をしただろう。
  インプットとアウトプット、
  この2つをじょうずにこなすことさえできれば、
  アクティブ・ラーニングだってコワくはない。
  他人の意見にふりまわされることなく、
  自分で考えて判断することができるんだ。
                 (pp.007-009)



この本を読み、勉強の型を身に付け、
自分で考え判断できる日本の12歳が次々出てくることを期待したい。
巻末に、本書で取り上げた本とWEBサイトを
目的別にまとめたリストを付けているのも行き届いている。


とりあたま大学: 世界一ブラックな授業!編

とりあたま大学: 世界一ブラックな授業!編

とりあたま炎上 忖度無用のチキンレース! 編

とりあたま炎上 忖度無用のチキンレース! 編

とりあたま元年: 最凶コンビよ永遠に!編

とりあたま元年: 最凶コンビよ永遠に!編

(時事問題に二人がズバズバ斬り込む「とりあたま」シリーズもオススメ。
 文庫版でなく大型本で読んだ方が漫画、台詞の細部まで楽しめる)