ロシア語の森を散策して3年経ちました

NHKラジオ語学講座「まいにちロシア語」応用編
ロシア文学からの贈り物」(安岡治子先生)の受講を修了しました。
2017年10月〜2018年3月の再放送です。
3年前にロシア語を勉強し始めたとき、
入門編「大人のためのロシア語」(林田理惠先生)と並行して
この講座を取りました。


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安岡先生の「開講のことば」を引用します。


  ロシア語を学びたいと思うきっかけは、いろいろとあると思います。
  最近は昔と比べるとロシア文学が好きで、という人の数は減ったかもしれません。
  それでもせっかく難しい格変化などを覚えて、
  辞書を引きながら何かロシア語のテクストを読むとしたら、
  私は迷うことなくロシア文学をお勧めします。


  私がロシア語を教えるようになって30年以上になりますが、その経験からも、
  ロシア語ののつ豊かな表現力はもちろんのこと、
  ロシアの自然、社会、歴史、民族、
  そして何よりも人間や人生について、深く広く感動的に教えてくれるのは、
  なんといってもロシア文学、特に古典であると確信しているからです。


         (NHKテキスト「まいにちロシア語」2017年10月号 p.72)


先生の言葉に導かれ、
右も左も分からないロシア語の森に飛び込みました。
この講座で読んだのは以下6作品の文章です。


  1. ドストエフスキーカラマーゾフの兄弟
  2. チェーホフ『ふさぎの虫』
  3. ブルガーコフ巨匠とマルガリータ
  4. プラトーノフ『牝牛』
  5. ラスプーチン『フランス語の授業』
  6. イスカンデル『大きな家の大いなる一日』


先生の言葉を続けます。


  講座では、ロシア語テクストの文法解説だけでなく、
  毎回読むテクストが作品全体とどう関係しているのか、
  また作者について、作品の文学的、歴史的、社会的背景なども説明していきます。
  パートナーの東井ナジェージダさんの、
  テクストについてのさまざまなコメントもたのしみです。

                                 (同 p.72)


パートナーの東井ナジェージダさん(愛称ナージャさん)は
ウクライナ・ハリコフ大学で天文学、物理学を専攻。
早稲田大学慶應義塾大学東京大学などで
30年以上にわたりロシア語を教えてきた方です。
各作品へのコメントの一言一言が
ナージャさんのロシア文学への造詣の深さを物語っています。
またグリゴリー・アプフチンさんの朗読が毎回素晴らしく、
たとえ意味が取れなくても、ロシア語の響きに聴き惚れてしまいます。



(サイト「NHKゴガク」より引用。
写真左が安岡先生。右ナージャさん)


NHKのラジオ講座・入門編、応用編で勉強してきただけですが、
それでも3年前と比較すれば、
ずいぶんロシア語に親しむことができるようになりました。
今ではロシア語テクストの朗読を聴きながら
文字を追いかけることができます。


語学的スキルの上達もさることながら、
先生が「開講のことば」で語っていたように、
ロシア文学の魅力にロシア語で触れられることが最大の収穫です。
タツムリのようなペースではありますが、
ロシア語、ロシア文学の森の散策をこれからも続けたいと思います。
安岡先生、ナージャさんの新作講座が
そろそろ聴きたいな。


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