宇佐見りん、最年少21歳で三島賞

高橋源一郎がレギュラーラジオ番組「飛ぶ教室
NHK第1、毎週金曜21:05-21:55)で激賞していて気になった作家。
名前を調べ直して覚えたら、産経の記事が目に留まった。


クリッピングから
産経新聞2020年9月28日朝刊
最年少で三島賞 宇佐見さん
「自分が納得できる小説を」


  第33回三島由紀夫賞、山本周五郎賞新潮文芸振興会主催)は
  好対照な2人が選ばれた。
  三島賞は宇佐見りんさん(21)のデビュー作『かか』(河出書房新社)で、
  最年少の受賞。
  (略)


  17日の受賞会見で、それぞれ思いを語った。
  「デビュー作でこんな大きい賞を頂けるとは…。
  まだ実感がないですが、書くうえでの勇気にしたいと思う」。
  純文学の新鋭に贈られる三島賞を射止め、宇佐見さんは笑顔を見せた。
  

  『かか』は、19歳の女性と母親の複雑な関係を描く。
  方言のような言葉遣いを交えた独自の語りが評価された。
  宇佐見さんは国文学専攻の大学2年生。
  

  選考委員の高橋源一郎さんは
  「あまり使いたくないが、『天才』という言葉を感じさせる」と称賛する。
  宇佐見さんは「人の心の奥底に響くような、
  自分が納得できる骨太な小説を書いていきたい」と意気込んだ。


第33回三島賞選考委員は以下5人。
任期4年。


  川上未映子高橋源一郎多和田葉子中村文則松家仁之(まついえ まさし)


高橋源一郎同賞第1回受賞者。


9月30日には書評サイト「All Reviews」友の会企画・制作YouTubeライブ放送で
書評家の杉江松恋豊崎由美の2人が、
宇佐見のデビュー作『かか』、第2作『推し、燃ゆ』について熱く論じていて
思わず見入ってしまった。
(無料公開は終了。友の会に入会するとアーカイブで閲覧できる)


かか

かか

推し、燃ゆ

推し、燃ゆ


[追記] 2020.10.5
毎日「今週の本棚」でも
翻訳家・鴻巣友季子が『推し、燃ゆ』を取り上げた。


クリッピングから
毎日新聞2020年10月3日朝刊
『推し、燃ゆ』宇佐見りん著(河出書房新社・1540円)
鴻巣友季子評(翻訳家)
アイドルへの濃厚な同化


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天才高校生小説家を主人公にしたマンガ大賞受賞作
響〜小説家になる方法〜』を連想させる新鋭作家の誕生だ。
読んでみよう。


(小説家がマンガ作品の主人公になるのかと疑っていたが、どうしてどうして傑作)


[追記] 2021.1.20


本日1/20の選考委員会で
宇佐見りんが小説第二作『推し、燃ゆ』で芥川賞受賞。
おめでとうございます!
21歳の楽しみな作家にスポットライトが当たりました。
今後の作品にも注目したいと思います。