志摩が60年代初めチェコのプラハ・ソビエト学校で師事した
魅力溢れる舞踏教師オリガ・モリソヴナは
どんな人生を送ってきた女性だったのか。
読みさしを出張に持って行き、物語を堪能した。
米原万里『オリガ・モリソヴナの反語法』を読む。
- 作者: 米原万里
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2005/10/20
- メディア: 文庫
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60年代のチェコ、ソ連、
そして志摩が謎解きに訪れる90年代初めのソ連崩壊の時期。
当時の共産主義国家がどんなもので、
そこに暮らす人たちの日々や夢がどんなだったか
手に取るように分かるような魔術がこの小説にはあった。
多くの事実に基づくとは言え、あるところから先の資料は乏しく、
ノンフィクションでなく小説でしか表現できなかった
と巻末・池澤直樹との対談で米原は語っている。
密度の濃い本作発表から3年後、米原は世を去る。
2016年は没後10年。
メルマガ『佐藤優直伝・インテリジェンスの教室』(Vol.085) 所載
「読書ノート/連読3冊」でこの本の存在を知った。
読めてよかった!
第13回Bunkamura ドゥマゴ文学賞受賞。
不思議なタイトルの意味は物語の冒頭を読むと分かる。
(文中敬称略)