米原万里『嘘つきアーニャの真っ赤な真実』(2001/2004角川文庫)


米原万里を連読する。
60年代、プラハソビエト学校の3人の友人、
リッツァ、アーニャ、ヤスミンカを30年後に米原が再訪する物語。
嘘つきアーニャの真っ赤な真実』を読む。


嘘つきアーニャの真っ赤な真実 (角川文庫)

嘘つきアーニャの真っ赤な真実 (角川文庫)


10代の多感な時期にできた友人関係には
ときに30年の月日を乗り越える力があることを知る。
友人だからこそ理解しあえない領域があることもお互い分かる。


世界平和を抽象的に声高に叫ぶより、
その街に心通う友をひとり持つ方がよほど戦争の抑止力になると僕は思う。
リッツァ、アーニャ、ヤスミンカが
米原にとってそんな大事な友であることが伝わってきて、
運命に翻弄される様子に読んでいる僕までなんだかドキドキしてくる。
2002年大宅壮一ノンフィクション賞受賞作品。


wikipedia:米原万里


(文中敬称略)