餃子と経済

東京は天気予報通り夕方から雪になった。
駅前の餃子屋Tで二人前の餃子を
持ち帰り用に焼いてもらう。
「餃子騒動の商売への影響はどうなの?」
おばさんに尋ねると
連日テレビが取り上げることで
しばらくご無沙汰だった客が食べにやってくると言う。
テレビ放映量をPR費として換算し、
餃子の売り上げの推移と比較すると
さぞ面白いだろう。
昨夜行った下北沢の居酒屋では
水餃子をお休みしていた。
冷凍餃子の売り上げはメーカーを問わず
かなりダメージを受けているに違いない。
餃子専門店Tの親父は神戸の名店「ぼんてん」で修行し、
材料とタレにうるさい。
キャベツをたっぷり使用する餃子だが、
そのキャベツを普段は農家から仕入れている。
秘湯会でキャベツを育てたと言ったら、
「今度卸してよ」と親父が言う。
中国産の野菜は虫が食わないよう
農薬をたっぷり使うのは周知のことだが、
親父によれば日本の会社がそれを指導している。
日本の客は虫食いの野菜は買わないと注文をつけたのだ。
さもありなんと僕も納得。
となれば、農薬の問題を
中国のせいにばかりにはしていられない。
経済活動の過度なプレッシャーが
真の原動力になっている。