きょうは温泉会議の日である。
温泉会議とは世界最小組織・秘湯会(会長と副会長のみ)が
春夏秋冬、山間の源泉をめぐる旅について相談し取り決める会議である。
この会議は無論温泉に入りながらやる会議ではない。
駅前のスーパーS屋に切り落としの北海道産本マスが
1パック350円で出ていたので、すかさず3パックとも買い占める。
日々の買い物は瞬間の判断が物を言う。
塩を降り、しばらく置いて焼き、身をほぐして瓶詰めにする。
温泉会議に出席する副会長へ、会長からの手づくり土産である。
この土産、案外バカにしたものでなくて、
おむすび、お茶漬、チャーハンなどの具になんでもござれ。
塩してあるので冷蔵庫保存しておくと数週間は持つ優れものである。
副会長もことの他、この土産を喜んでくれる。
うまくて、原価が安い!
(温泉会議後半の会食用に「奈良萬」の純米生酒2種を用意。
どちらも冬期限定販売)
さて、この日は、温泉宿の価値と価格がテーマになった。
秘湯会は一泊二食10,000円から、せいぜい12,000円の宿を望む。
もともと源泉掛け流しにひたすらつかる旅なので
秘湯会の食事は質素でいいのだ。
つまみも酒(秘湯会公式ボトルはサントリー角瓶)も持参する。
秘湯会が次に行く予定の宿はどうやら値上げしたらしく、
土曜日泊・料理フルコースで18,000円。
おかみのブログによればこの一年集客に苦労しているというのだ。
確かにこの宿は湯がよいだけでなく、
地元の素材を使ったご主人の料理が自慢だ。
とは言え、この時代、とりわけ豪華でもない宿に18,000円は妥当か?
(いつの間にか温泉会議を傍聴するハエタロウ。議決権はない)
結局、平日割引、食事の品数を減らしたシンプルコース、季節割引など
ありとあらゆる工夫をして、20%ほどの節約をすることに決めた。
それでも予算オーバーである。
雪の季節で普段使っている副会長の車が使えないから、
電車を使うためその分費用は余計にかかる。
週末の高速道路1,000円は旅の予算削減にずいぶん効いているのだ。
いいサービスを提供するだけではもはや宿ははやらない。
客の懐具合と気持ちの変化までおもんぱかる
財布と心のマーケティングが必要なのだ。
客の満足度を落とさず、値段は下げて(あるいは維持して)、
どうサービスを提供できるか。
それができなければ、客足はどうしたって遠のくのだ。