入船ツアーを企画した


一週間分の仕事をすべて終えた。
今宵は「入船ツアー」と銘打って遊ぶ。
まず男子3人は中央4番・入船湯で待ち合わせ。
銭湯の湯舟集合というのがシブいでしょう。



  (入船湯はモダンなマンションの地下にある)


同居人はクリエーティブ・ディレクターS氏との
長い長い打ち合わせのため、とうとうこの日、入浴できなかった。
合流し「かつ平」に向かう。
このあたりはいまどき意外なほど闇が深い。
江戸の頃、陽が落ちた後の闇の深さがどんなだったか、
ふと想像してみる。



「かつ平」は先代の時分に
池波正太郎さんがひいきにしていたトンカツ屋だ。
いまは息子さんが店を継いでいる。
小生は故あって普段は油ものを控えめにしているが、
今夜は「かつ平」のトンカツだ。うれしくない訳がない。



  (小躍りする三匹の子豚の画が可愛らしい)


この時代でも「かつ平」にはしっかり客がついている。
予約ができないので10分ほど外で待つ。
ポテトサラダ、五目豆、小松菜おひたし、厚揚げと野菜の煮付け。
こうしたつまみがすべて200円だから驚く。
値が安くても一品一品決して手を抜いておらず、
店の心意気が伝わる。


入船築地界隈の店は看板になるのが早く、
「かつ平」も20時30分ラストオーダー、21時閉店。
したがって、20時20分には、
ツアー参加者のみなさん、それぞれ好みのメインディッシュを注文する。
僕はヒレ海老定食。ヒレカツに海老フライがついてくる。
1,450円也。



  (「猫バァ」のマダム、ちいちゃん。
    他のどの客より舌が肥えていて、みんな一目置いていた)


仕上げは僕たちの憩いの場所、小料理屋E、愛称「猫バァ」へ。
「かつ平」のヒレカツご飯二人前を土産にぶらさげてゆく。
僕は一年ぶりである。


「猫バァ」の由来である猫のマダム、ちいちゃんが失踪して一年。
おかみさんの落ち込みぶりが想像つき、
慰めの言葉も思いつかず足を運ぶことができなかった。
ちいちゃん失踪の顛末は以前同居人が「もるとゆらじお」に書いた。
これ以上の文章は僕にはとても書けないのでリンクしておく。


おかみさんは思ったより元気になっていて少しホッとした。
僕たちもアホな話を連発しておおいに笑い、
水割り片手に愉快な週末へと滑り込んでいった。