津田大介「Twitter社会論」(2009)


津田大介Twitter社会論/新たなリアルタイム・ウェブの潮流」
(2009)を読む
僕はいま発売されている文藝春秋二月号に掲載された
梅田望夫の書評がきっかけで手にとることにした。


2006年7月に始まったツイッターは2009年に世界中でブレークした。
「実際にツイッターのアカウントを開設している日本人ユーザー数は
09年10月現在で100万人前後と見られている。」(同書p.17)
この三ヶ月でその後どれくらいユーザーが増えたんだろうか。


Twitter社会論 ~新たなリアルタイム・ウェブの潮流 (新書y)

Twitter社会論 ~新たなリアルタイム・ウェブの潮流 (新書y)

文藝春秋 2010年 02月号 [雑誌]

文藝春秋 2010年 02月号 [雑誌]


僕は09年8月にツイッターのアカウントを取り最初の投稿をした。
発明され注目されているコミュニケーション・ツールは
四の五の言う前にまず自分で使ってみるというのが僕の信条だ。
けれども約3年使い続けてきたブログほど自分に関係あるとも思えず、
ときどき思い出したように使うだけのユーザーにとどまっていた。
もうひとつツイッターの「140字のつぶやきの世界」に
入り込めなかったのだ



津田の著書を読むことで、
ツイッターの誕生から現在、近未来まで俯瞰的展望が開けたように思う。
梅田望夫の「ウェブ進化論」によって
インターネットやウェブ社会の可能性について
僕の理解が一気に深まったときのような感覚を再度味わった。


ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる (ちくま新書)

ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる (ちくま新書)


津田本人が自身のブログ「音楽配信メモ」でこう書いている。
「個人的にはいつまで経っても梅田望夫さんが
ウェブ進化論』の語り口でTwitterを語ってくれなかったので、
しょうがなく俺が書いたという感じです。」。
(2009年11月15日付)


こうして僕は津田の案内によって
ツイッターの世界に少しずつ入っていけるようになった。
案内人の良し悪しと自分自身による試行錯誤次第で
未知の世界はどんどん開けていくのだ。



  (コトランくん、君が乗っているのは体重計ではありません。
   僕のMacBookです)


津田はこの新著で「流行」「技術」の紹介にとどまらず
ツイッターを「社会」との関係の視点で明快に定義した。
僕がもっとも刺激を受けた点だ。
いずれ津田の定義も再定義を必要とする機会が来るだろうが、
現時点ではきわめて有効だ。
津田は1973年生まれ。梅田の後継者世代の活躍は心強い。


週刊ダイヤモンド」1月23日号
「2010年ツイッターの旅」とともに推薦したい。


週刊 ダイヤモンド 2010年 1/23号 [雑誌]

週刊 ダイヤモンド 2010年 1/23号 [雑誌]


(文中敬称略)