副会長失踪の謎を解くため再び井戸水銭湯E湯に向かう。
若旦那に事情聴取するも昨夜は非番だったとのこと。
旦那や奥さんも僕たちの顔を見ても何も言わないところをみると
少なくともE湯になにか迷惑をかけた様子はない。
それどころか、湯船の前で常連Gさんが顔の右半分を腫らして
さっきからコックリコックリ居眠りしている。
湯船の前で船を漕いでいる。シャレのようだね。
実は、E湯の常連たちで作っている親睦会が、
土曜日、僕たちが花見をしたS公園でこの日、花見だったのだ。
どうやらGさんは酔って転んで、顔を腫らしたらしい。
みなさん、酒をかなり聞こし召したとみえ、
全身真っ赤にしている人あり、
居眠りしている人ありとにぎやかである。
我らが副会長が前夜多少粗相をしても
格別目立つことはないというていたらくだ。
副会長失踪の謎は相変わらず謎のままだが、
秘湯会としてはとりあえず胸をなでおろし、
駅向こうの四川中華BLKをめざす。
同居人を交えて、昨夜の花見の反省会である。
BLKの親父は世間の有名シェフとは縁もゆかりもないが腕がよい。
僕の出向元の先輩、食い道楽で知られるA亭推薦の店なのだ。
この夜も「たけのことチシャトウの煮込み」（写真下の上）、
「ホタテとマコモの豆鼓炒め」（写真下の下）などがおいしい。
惜しむらくはこの親父、
夜9時過ぎには厨房から出てきてビールを飲み出す。
稼働時間が短く、先発しても6回2/3まで投げると
自発的にマウンドを降りてしまう主戦投手なのだ。
