夕暮れの空とダブル鰻



夕方、会社の先輩Aさんを見送る通夜に出た。
水曜日に亡くなったと連絡をもらった。
誰かが死んでも世界は変わりなく動いている
と証明するかのように夕暮れの空が美しかった。



弔問客を前にして奥さんらしき喪服の女性が号泣していた。
先輩の遺影は柔らかい笑顔のいい写真だった。
Aさんのこの笑顔を記憶しておこう。



帰りに目黒で電車を降りて、
一時間ばかりひとりで飲んだ。
白金ホイスを飲ませる魚料理の店だが、
久しぶりに寄ったらメニューからホイスが外されていた。



昼間は小さな仕事を成功させた後輩二人に鰻をご馳走した。
会社に入って二年目と三年目の男たちだ。
マクドナルド、王将より鰻が食いたいと言う。
では、虎ノ門会社員の味方、
うまくて値段もお手頃な「鐵五郎」に行きましょう。


食べられるだけ食べていいよ、と言ったら
二年目の男はダブル鰻のご飯大盛り(写真上)をペロッと食べて、
まだ食べられそうな顔をしていた。
命をもらって生きているって、
食べられるってことなんだなぁ。