秋晴れの週末はハエタロウ's Cafeで昼食を取る。
いや、なに、ハエタロウの段ボールハウスがある物干しに
椅子を用意しておじゃまするのだ。
春、初夏、初秋、陽光を愉しむ昼食は
カンヌ、ベルリン、台北、バンコクの旅の空、どこでも貴重だ。
その時間を東京の我が家で愉しんではいけない理由などあるだろうか。
好機が訪れたときは、即、動くべし、なのだ。
- 作者: 塩野七生
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塩野七生が「文藝春秋」に連載してきた『日本人へ』を読む。
七年分の連載が二冊の新書になった。
東京とローマの距離。
いまこの瞬間と二千年の時間。
その距離と時間の広がりが、
現代の出来事に対する塩野の洞察に立体感を与えていて、
読んでいるこちらの頭と心も活性化する。
とりわけ、周囲の既得権者におもねることなく、
かといって批判や非難で声高になることもない塩野の文章が、
人間の言葉として届いてくる。
ただ知識や情報を得るだけの読書でなく、
著者と対話する時間に変わっていくのだ。
(文中敬称略)