時は流れない。それは積み重なる。


親戚が貯蔵していた酒を同居人にくださった奇特な方がいて、
祝日にモルトクラブの面々(…と言ってもいつもの副会長、同居人)が
集まって、何本か味見した。



左からサントリーエクセレンス
新人の頃、僕がサントリーのラジオCMコピーを書いていたとき、
そのカタログに燦然と輝いていた銘酒。味わうのは初めてかな。
いまはもう発売していないのではないか。
若干気が抜けているようだが、独特の甘みを感じた。



真ん中がロイヤルサルート21年。
天使に分け前を取られ、2/3くらいに減っているボトル。
風格があった。
右は山崎の発売当初と思われる一本。
まだモルトの貯蔵年数を表示していない頃の製品だ。
山崎の水の味がする、と副会長がつぶやく。



現在発売されている銘柄でも、
仕込んだ年によってウイスキーの味は異なる。
まして、20年、30年前のボトルとなればなおさらだ。
保存状態がよければ、銀座あたりのバーでは
結構な値段を取られるのは間違いない。



秋が深まっていく今頃の時期が僕は一年で一番好きだ。
11月が自分の生まれ月だからなのかもしれない。
ちいさなグラスでウイスキーを味わっていると、
時間による熟成という思いが静かにめぐってくる。


   時は流れない。それは積み重なる。


秋山晶さんが書いたサントリークレスト12年のコピーだ。
ショーン・コネリーを起用していた。