園芸市に出かける


世田谷公園で開催中の園芸市に出かける。
前日の東日本巨大地震の影響が心理に働いているのか、
人手はまばらで商いは低調だと顔見知りの山野草屋主人が言う。
秘湯会の春の畑のために、絹さや、スナックエンドウ、パセリ、
ルッコライタリアンパセリ(香菜)などの苗を仕入れる。
危機的状況と言われるときこそ、日常が大切である。
生命の力に励まされるのだ。



パリから来た友人Bさん夫妻、Bさんの友人夫妻の4人は
日本滞在の予定を急きょ切り上げ
月曜日の便で帰国することに決めた。
地震津波と続いて、原子力発電所の事故を見聞きするに及び、
出国が困難になる恐れも予測しての判断だ。


Bさんも奥さんのSさんもともに映像演出家である。
Sさんはかつて仕事でイスタンブールに出向いたとき大地震に遭遇した。
辛うじて無事だったのは
宿泊していた建物が崩壊しなかったおかげである。
その建物を設計した建築家は日本人であった
とBさんは僕に教えてくれた。



東京のホテルに到着してわずか1時間後に
今度の大地震がやってきた。
日本びいきの4人には本当に気の毒なことをした。
ホテルのスタッフが冷静沈着に安全な場所に誘導してくれたことに
Bさんはとても感謝していた。
Bさんがこれまで暮らしてきたニューヨーク、パリなどの大都市では
人々の反応はこうでなかったろうと言う。
大事なゲストを迎える身としてはせめてもの慰めの言葉だった。



三連休には買ってきた野菜、ハーブを植える。
土に触れ、野菜に触れることは、自分たちを再生する祈りでもある。


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被災者のみなさまに水、食料、暖房器具、毛布、タオル、
簡易トイレなどが早めに充分行き渡りますように。
混乱のさなかに東京からやたらに送りつけても
現地の助けにはならないことは分かっています。
今後の情勢を見て自分たちにできる援助を見つけていきます。