本好き・読書好きならとっくにご存知だろうが、
「ブクログ」というコミュニティサイトがある。
僕もずいぶん前に偶然発見し以来愛用している。
自分の買った本を並べておけるバーチャル本棚が
なかなか素晴らしいのだ。
「ブクログ」のランキング、レビューは
本を選ぶときにもときどき参考にしている。
僕自身もこれまでデジタルノートに書いてきた書評94冊分を
自分の「ブクログ」ページに転載している。
- 作者: 池井戸潤
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2010/11/24
- メディア: ハードカバー
- 購入: 20人 クリック: 404回
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あるとき殿堂入りランキング1位に
池井戸潤『下町ロケット』があった。
僕は作者も作品も知らなかったが興味を惹かれてレビューを読むと、
この日の朝、この作品で直木賞受賞が決まった。
既に作者・作品のファンである読者が
いくつもレビューを書いていて僕は知ったのだ。
Amazonを検索すると既に品切れ。
さすが直木賞を受賞すると本の売れ行きに直結する。
二週間ほどで届くので注文しておいた。
- 作者: 池井戸潤
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2009/09/15
- メディア: 文庫
- 購入: 10人 クリック: 49回
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成田空港の書店をふと覗くと
同じ作者の代表作『空飛ぶタイヤ』(上・下)が運良く棚に残っている。
Amazonでは『下町ロケット』と同じく品切れだった。
旅の友に迷わず買った。
これがべらぼうにおもしろい。
こんなワクワクする小説を読むのはいつ以来か。
まじめに小規模の運送屋を経営していた主人公が
社員の起こした事故で人を死なせることになり地獄を見る。
ところが、それは整備不良でなく
大手ホープ自動車製トラックの構造的欠陥だった。
主人公は大企業に立ち向かうが、その壁はひどく堅固だ……
- 作者: 池井戸潤
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2009/09/15
- メディア: 文庫
- 購入: 11人 クリック: 19回
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文章、構成、人物描写。
どれをとっても一流である。
職人の父に育てられ大学教育まで受けさせてもらった僕は、
どうしたって弱い立場の主人公に肩入れしたくなる。
大企業が時として見せる不条理に負けないでほしい……
ジンときて涙が何度もにじみかけた。
悪役の親玉を演ずるホープ自動車狩野常務の描写がいかにも憎々しげで、
それが物語に奥行きを与えた。
またひとり、今後の活躍が楽しみな作家ができた。
(文中敬称略)