霧の北京で道に迷う


持つべきものは友である。
北京空港そばのホテルで丸々二日間の長城賞審査を終えると、
気晴らしに街の中心部にでかけようと誘ってくれた。
15名の審査員のうちふたりは十数年の付き合いがある旧友なのだ。
ひとりは審査委員長。
今年カンヌのプレスカテゴリー(雑誌広告)で
中国大陸初のグランプリを取ったECDだ。
もともとは香港の人である。


(香港がカンヌのデザインカテゴリーで
 以前グランプリを取ったことがあるので中国としては二回目) 



一軒目はホテルのバー。
おしゃれな方たちが集まる場所である。
シャンパンで審査終了に乾杯。
それから北海公園に移動する。
深夜でも賑わいは変わらず街や人のエネルギーを感じる。
みんな疲労もたまっており僕の翌朝のフライトも早かったので
ビール、緑茶で早々に引き上げる。



僕たちの宿泊しているホテルは
場所もはずれていて有名でもないため
案の定、運転手は道に迷った。
一時間ほどのドライブでようやくたどりついたとき、
あたりは霧に包まれていた。
道に迷うのも友と一緒ならそれなりに楽しいものだ。