池井戸潤『オレたち花のバブル組』を読む。
東京中央銀行に勤める半沢直樹が主人公。シリーズ第二作。
「根は性善説、けれどやられたら倍返し」が半沢の信条だ。
銀行を舞台にした池井戸の作品をいくつか読んでいくと、
金は人なり企業なり、という気持ちになる。
小悪党もいれば、信念に生きたいともがく人もいる。
- 作者: 池井戸 潤
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2010/12/03
- メディア: 文庫
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物語冒頭からいきなり窮地に追い込まれた半沢が
どうやって切り返し逆転するかが物語の基本構成。
パターンは重々承知しているのに
ついつい引き込まれていくのは池井戸の筆力か。
どんな人も社会で生きる限り、金とは無縁でいる訳にはいかない。
自分の実体験から物語に金のリアリティを吹き込めるのが
池井戸の強みだ。痛快娯楽小説である。続きが読みたい。
(文中敬称略)