飲兵衛たちのツボ


拙宅で秋の小宴を催すことになった。
秋田県人で酒豪Aさん、S社社長Mさん、秘湯会副会長の三人が
ゲストである。
一二品だけでも飲み続けることができると
Aさん、Mさんが泣いて喜ぶ酒の肴がオールスターでずらり揃う。
同居人が前日から準備していた。
今宵はみなさんにおおいに日本酒を飲んでもらおう、
と飲兵衛のツボを憎いほど押さえている。



会津の「國権」、Mさん持参の「越乃寒梅」、
岩国の酒「雁木(がんぎ)」。
同じ岩国の蔵同士で比べてもらおうと
僕の晩酌酒「獺祭(だっさい)温め酒」を出してくる。
栃木の「花宝(かほう)」。
仕上げは白州のシングルモルト1988年。
日本酒は蔵により年により、
さらには種類によってもみな味わいが異なる。
飲兵衛が集まってあれこれ批評し合いながら飲むのは
他愛なく面白い。



半時間ほど散策に抜け出したハエタロウが
またも背中に傷を作って帰ってきた。
ようやく先日の傷が治り、毛がはえてくるのを待っていた。
明日もDB先生のところへ連れていくことになった。