東京獺祭の会2012


麹町で開催された「東京獺祭の会2012」初日に参加する。
主催は蔵元・旭酒造。三日間の催しの入場券は既に完売である。
昨年こんなに愉しいイベントがいまどきあるのかと感激し、
今年は秘湯会の特別会合として副会長の分も予約した。



桜井社長のあいさつの後、
獺祭全品種の新酒の利き酒が始まる。
4,000円の会費と引き替えにお猪口、小グラスが渡される。
この二つと製品一覧表を持って会場をウロウロしながら
十数種類ある獺祭の味わいの違いを愉しむ。


合間合間には非売品の仕込み水を忘れず飲む。
「和(やわ)らぎ水」だ。
こうすれば酒の違いがいっそう分かるし、
早々に酔っぱらってしまうこともない。



東日本大震災後、
旭酒造は復興のために売上げの1%を寄付することを決めた。
売上げの1%は無論楽な数字ではない。
東北の酒をみんなが応援していたピーク時には、
その勢いを邪魔してはいけないと
「獺祭」ブランドを押し出すことすらやめた。
それでも「獺祭」はお客さまに愛され続け売上げは一層伸びた。



「みなさんのおかげで2,000万円ほどの義援金を出せます」
と桜井社長はスピーチの最後でうれしそうに報告した。
混雑を逃れて閉会少し前に会場を出ると、
天から白いものが落ち続けていた。