その記憶は風化に耐えうるか


NHKスペシャル未解決事件「オウム真理教」第三部
「オウムvs警察 知られざる攻防」を観る。
ハードディスクに予約録画してまで
テレビ番組を観るのは実に久しぶりのことだ。
再現ドラマとドキュメンタリーで構成していく手法で番組は進む。
元幹部・上裕史浩のインタビュー、
死刑確定囚・井上嘉浩の手紙を紹介するくだりは見応えがあった。
(上裕の罪が偽証罪による3年の懲役だけだったのは意外だ)



ところどころに挿入される麻原彰晃の棒読みのような説法にも
なんとも言えない気味悪さがある。
いったん教団の中に取り込まれてしまったら、
自分の意志で「ノー」を言うのはきっと難しいことだったろうと想像する。
全員一致するまで議論を続ける
ムラの集会の意思決定プロセスと同じことだ、と同居人に指摘された。
宮本常一が日本のムラ社会を研究し著作に残している。
読んでみよう。



上九一色村第七サティアンの跡地が痕跡をとどめなくなるように
僕たちの記憶から事件そのものが風化してしまうことが一番怖ろしい。


忘れられた日本人 (岩波文庫)

忘れられた日本人 (岩波文庫)

日本文化の形成 (講談社学術文庫)

日本文化の形成 (講談社学術文庫)