人恋しいのか、秋の夜の寒さか


黒兵衛がいなくなって
ハエタロウが心なしか寂しそうである。
気の毒なのでここしばらくは寄り道を控え、
仕事が終わるとまっすぐ帰ってくる。
Tora's Bar と称して本を読み酒を呑む。
休肝日にはコーヒーかお茶を飲む。



庭に面した硝子戸を少し開けておいてやると、
ハエタロウが散歩に出かけては戻ってくる。
その間隔がだんだん短くなっているのは
どこか人恋しいのか、秋の夜の寒さか。