東京獺祭の会で試飲した「その先へ」



寒風が吹き、身を切られるような寒さの一日。
夕刻より永田町まで東京獺祭の会(二日目)に出かける。
山口岩国の酒蔵、旭酒造が獺祭全製品の新酒を持って
杜氏の桜井社長を筆頭にやってくるのだ。
世の中にこんなに愉しいイベントが存在するのかと驚き、
今年で3年連続の参加である。
秘湯会副会長も誘い、年間の公式行事としている。



ファン層が拡大しているのか過去2年と比べて
20代らしき若者たちの参加者が大幅に増えている。
ジャズバイオリンの演奏に続いて、蔵を紹介する動画が流れ、
桜井社長のあいさつが始まる。
「巨人、大鵬、卵焼き」のように圧倒的な存在を
獺祭はめざしていきたいと力強くメッセージした。



昨年9月に精米工場を拡張し、
10月には4階建ての第2蔵が完成。
製造能力が16,000石になった。
ところが、政府の減反政策のために原料の山田錦が不足し、
あらかじめ注文しておいた米も一部は入手できなかった。
そのために獺祭の品薄が続いていることを知ってほしいと
桜井社長は訴えていた。



フラッグシップとなる「獺祭 磨き その先へ」を発表。
四合瓶で価格は30,000円である。
(5,000円の磨き二割三分四合瓶とセット販売で35,000円)。
これまでの最高価格が「磨き二割三分 遠心分離」12,285円だから
意欲的な製品である。
旭酒造は海外でも日本酒の旨さを伝えようと以前から努力している。
グローバル市場で勝ち抜くには
こうしたフラッグシップを持つことは大変重要だ。




参加者は入場のときに引換券をもらい、
小グラスに一杯ずつ試飲することができた。
不思議なもので酒は品質を極めていくと、
ブランデーもウイスキーも、そして日本酒も、
極上の水の味わいに近づいていく。
「獺祭 その先へ」もスッとノドを通過し
極上の水の印象を残して消えていった。