審査は朝9時に始まる。
終了時間は予定表には書いてあるが、
プロセスでなにが起こるか分からないのでそのとき次第だ。
今回のThe CUP12人の審査員を国籍で整理すると、
イラン、ドイツ、ロシア、アルゼンチン、イギリス、トルコ、
ポーランド、日本、オーストリア、ブラジル、タイ、香港。
審査委員長のAmir Kassaeiはイラン人である。
Amirはニューヨーク本社をベースに日々4時間の睡眠で世界を飛び回り、
4.5カ国語を話す(0.5ヶ国語は中国語)。
イランを離れて久しく母国語は使えない。
13歳の少年兵だった時、難民としてトルコに逃げてきた。
The CUPのゴッドファーザーMichael Conradは旧東ドイツ生まれ。
その後、シカゴを本社とする会社で長く重役を務め、
世界の広告界で重要な役割を果たしている人である。
現在はチューリッヒで奥さんHelgaと暮らし、
ベルリンスクール学長として健在だ。
Amirの頭脳にはよほど性能のいいコンピュータが内蔵されているのか、
審査プロセス上で起きたいくつかの混乱を見事な采配で乗り切った。
審査初日はエントリー作品全体を見渡す。
どんな景色になっているのか
おおまかな地図を全員で作るのが仕事になる。
データ管理で裏方を務める二人の女性Mateja、Polonaが
MacBook Proをフルに使いこなししている。
Amirはじめ審査チームの要求を
短時間で次々さばいている姿が美しかった。
どこでどんなトレーニングを受けてきた女性たちなんだろうか。