6月の風の魔法で


土曜日である。
駅向こうの魚屋「魚卯」を覗く。
しめしめ、あるある。
小鯛、きす、小鰺の開きを仕入れる。



一塩して風干し。
6月の、梅雨ではない風に数時間干して水分を抜いてやる。
食べものについて決して世辞を言わない同居人の
夕飯のおかずに小鯛5枚、きす3枚炙る。
「うまいね」の一言とともにきれいになくなる。



僕は酒の肴に小鰺風干しを二枚炙って
大根おろしでやってみる。
ひと手間かけるだけで、
魚はなんてうまくなるんだろうね。
6月の風の魔法かね。
たぶん、そうだね。