ベルリンスクール同級生、
リオ・デ・ジャネイロのClaudiaは
映像コンテンツ買い付けで世界を飛び回るのが仕事だ。
海外で恋しくなるのがポン・デ・ケイジョ。
ブラジルのもちもちチーズパンである。
小麦粉でなくキャッサバ粉を使う。
パン屋でこいつを見つけると買う。
駅前スーパーSで世田谷宮坂ベーカーズ・ファームの
ポン・デ・ケイジョが入手できるようになった。
けれど、ネーミングがいけない。
「モチモチチーズボール」。
確かに商品を説明すればその通りなんだけど、
これではスキマ商品のポジションから永久に抜け出せない。
原語を残してこうしてみてはどうだろう。
「ポン・デ・ケイジョ
ーブラジルの朝食、もちもちチーズパン」。
もちろんネーミングに原語を残したからと言って
すぐにヒット商品になる訳ではない。
けれど、2014年の二度目のブラジルワールドカップあたりで
火がつく可能性はある。
いったん火がつけばそこは横並びの日本のことだ、
どこのパン屋も置き始めるに決まっている。
女性週刊誌やワイドショーも取り上げる。
そのときただ「モチモチチーズボール」と名乗っていたら
前からあるのに類似商品として格落ちイメージだ。
以上、広告屋の血が騒ぐもんで、
無料コンサルティングでした。
ちなみにベーカーズ・ファーム「モチモチチーズボール」は
本場の味にも負けぬ日本独自のうまさ。
一ヶ80円。
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「モチモチチーズボール」が気に入って
駅前スーパーSで通算三度目の購入。
どれどれ、と商品情報を調べてみる。
そうか、本場のポン・デ・ケイジョと違って
キャッサバ粉でなく小麦粉を使っているんだな。
レッドチェダーチーズ、パルメザンチーズ、
プロセスチーズ、ミックスチーズ4種類のチーズを使って
独特の個性を出している。
と言うことは小生のネーミング提案は却下ですね。
ベーカーズ・ファームの「モチモチチーズボール」は
ポン・デ・ケイジョ風のチーズパンではあるけれど、
独自開発商品である訳だ。
食べてうまいから問題はない。
しかし、こうしてアレンジして日本独自、店独自のパンを作るほど
ガラパゴス化するのも事実だ。
日本にやってきたブラジル人が偶然このパンを食べて
「お、結構うまいじゃん!」と喜んでくれるかもしれないが、
このパンで世界制覇することははなからできない仕掛けになっている。
グローバルを睨む広告屋としては、それはもったいないぞ、
とお節介心が働くのはいかんともしがたい。
(2013.7.11追記)