あきらめずに失せ物を探す




昨日のことです。
終業ベルが鳴り、いざ帰り支度を始めたら、
小型トートバッグが見当たりません。
確か、図書館から借りた読みさしの単行本、
井上ひさし『一週間』を入れていたはずです。


一週間

一週間


幸いきょうは一日ビルから外出していません。
34F会議室、同じく34Fアトリウムと
自分の足取りを追っかけてみますが見当たりません。
遺失物は1F防災センターに届いていることがあるので
そちらに回ります。
やはり、ありません。
紛失届を記入して、届いたら連絡してもらうことにしました。


でも、おかしい。
きょうの自分の足取りはかなり限られているはずだ。
いずれにせよ、このビルの中にまだあるのは間違いない。
再度戻ってエレベーターを乗り継ぎ34Fに向かいます。


そうだ。
13時から始まる会議のとき
僕は早めに行ったけれど実は隣りの会議室と間違っていた。
みんな相変わらず時間通りに来ないなぁと思っていたら、
隣りから聞き慣れた声が聞こえてきた。
あれ、僕、会議室を間違ったのか、
と急いで隣りに移動した。


小型トートバッグは最初に僕が間違った会議室の
僕が座った椅子の足元にちゃあんと待っていた。
ごめんね、暗い部屋に君を置き忘れて。
会議室を間違えたことに気づいたときに少しあわてて
一瞬だが注意が散漫になった。
そのとき足元にバッグを忘れて自分だけ移動してしまったのが
紛失の原因だった。


一週間 (新潮文庫)

一週間 (新潮文庫)


  (文庫にもなりました)


防災センター職員の方に再度報告し、
帰宅する地下鉄で僕は『一週間』の続きに取り掛かった。
借りた本を無くしたら弁償しなくちゃいけないし、
ものをなくすこと自体で自分の自信が減ってしまう。
見つかって、よかったよ。
戻ってきてくれて、サンキュー!