3月いっぱいで閉店した
近所の清水屋酒店の解体工事が進んでいる。
古くなったとは言え、直しながら住めばまだ住める家を
人間同士の売買契約に基づいて予定通り壊していく。
上ものは0円と言うより
壊し賃がかかるからマイナス価値なんだな。
まだ住める家を解体するのも、
解体工事で人が雇われ賃金を受け取るのも、
その人たちがパキスタンやバングラデシュから出稼ぎに来るのも
次の建て売り住宅(たぶん)がにょきにょき建つのも
すべて資本の力なんですね。
いま生きるマルクスの『資本論』そのものです。
資本の増殖が人を走らせる。
ここに一軒の酒屋があったことを
じきにみんな忘れちゃうんだろうなぁ。
新しく住む人たちはもともと知らない、
自分に関係ない近所史の一コマですもんね。
寂しい。
- 作者: 佐藤優
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2017/01/28
- メディア: 文庫
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